ジャパン・クラフト21とコンテストについて

ジャパン・クラフト21の使命は、消滅の危機にある日本の伝統工芸を見つけ出すこと、そして明確な戦略と効果的な行動を通して、伝統工芸の世界に活気を取り戻すことです。

ジャパン・クラフト21は、日本の伝統工芸の衰退を止めることに特化した、外国人と日本人のボランティアグループです。この度、1956年にロックフェラー氏によって設立されたアジアソサエティのジャパンセンターとともに、日本伝統工芸再生コンテストを定期的に開催する運びとなりました。それぞれのコンテストでは、一ジャンルの工芸を21世紀に再び繁栄させることを目的に、傑出したヴィジョン、才能、実績と情熱を持つ個人または団体を選出し、ニーズにあったサポートを提供します。第一回コンテストは2021年春に開催されます。

日本の工芸文化は、何世紀にもわたって熟練され、蓄積された知恵と技法に基づき、世界的にも質の高い職人による品物を生み出すことで知られています。しかし、工芸品は近年危機感を覚えるほどに劣化しているのです。現在でも、何万という工芸の職人が活躍している一方で、その多くの人は引退の時を迎えており、若い世代が彼らの技法を継承していないのも事実です。加えて、特殊な染料や顔料などの材料や、筆や刷毛などの道具を作る工芸を支える職人も消えつつあるのです。

ジャパン・クラフト21の最初のプロジェクトは、釘をまったく使わない伝統的木組み造りの町家建築でした。80年ほど前、京都には10万軒の美しい町家がありました。現在では、4万軒ほどしか残っておらず、更に毎年減り続けています。2019年、学費を奨学金として提供し、若い現役の大工に伝統的な木組みを教える心町家塾という小さな塾を設立する手助けをしました。その塾を卒業した大工も携わり、今年、85年ぶりに京都に木組みの町家が建設される予定です。さらに、若い大工を対象とした新しいコースと、若い左官に竹を使った日本の伝統的な土壁造りを教えるコースも始めます。

コンテストの最優秀賞者には、受賞したヴィジョン・アイデアを実現するための資金500万円と、ビジネス、デザイン、商品開発、マーケティングなど多種多様な分野のエキスパートで構成されたグループによる1年間のサポートが提供されます。日本の工芸文化を再生するか、多くの伝統的な工芸が消えていくのをただ眺めているのか、選択することができるのは今この時しかありません。

 

ジャパン・クラフト21事務局

ディレクター バイメル・スティーブエン

コンテストコーディネーター 亀井啓子

アソシエイトディレクター クラウス・キャッシー

Webデベロッパー 松田哲弥(fe8works)